人が集まる場所に商売は集まるものですが、「良い商品」や「おいしいもの」にも人は自然と集まるものです。たとえば、周辺市街地となった流山駅前で、いい香りがするパン屋さんがあったら……。思わず立ち寄ってしまいますよね。
日常的に好んで口にする「パン」は、買いやすく、親しみのある存在です。そんなパンが、地域の特色や季節の野菜を引き立てるように作られていたら──きっと駅前をもっと明るくしてくれるはずです。
「おいしいパン屋さんは正義!」
そんな想いを胸に、佐藤崇裕さんとmachiminで「みりんベーカリー(仮)」を模索中です。

佐藤崇裕
Pain aux fousの2代目シェフを経て、家業の佐藤ベーカリーを手伝いながら、2020年よりPain et Sucreを始める。パン屋の枠にとらわれずにお菓子や料理なども日々研究を重ね、理想の味を追求している。おいしいパン屋さんが駅前にあると地域が明るくなるという話に共感し、machiminと「みりんベーカリー(仮)」を模索中。Fonterra Grand Prix 2020 ブレッド部門最優秀賞受賞
まずはmachiminで“販売だけ”をやってみました
ベーカリーをつくる前に、まずは既存の店舗で焼いたパンを販売してみることにしました。需要だけでなく、どんな声や反応があるのか確認すること、そして「みりんベーカリーができてほしい!!」と言ってくださるファンを作っていくことを始めました。
ここでパンを売っているなんて、誰も知らないところからスタートです。
あえてパン販売の日に人が来るようなイベントを用意したり、打ち合わせを設定したり、周辺の職場の方にパンが売っていると伝えたり、SNSで流したり、できることを重ねていきました。
店内で、外で、キッチンで。
雨の日は、暑い日は、寒い日は。イベント仕立てにしてみたり。
コーヒーを出す方と組み合わせてみたり。
ご当地のみりん、地域の季節野菜を使ったオリジナルを作ったり。
近隣のお店とコラボの商品を作ったり。
ピザを窯で焼いて、熱々で出してみたり。
machiminの焼き菓子も引き継ぎました
雨の日は焼き菓子を仕込む日にできたらいいなと、夢見て。
みりんシュトレンのレシピも引き継ぎ、アップデートしました。
少しずつ、運営方法も見直しながら
いつ・何が・どのように売れたかを日記に記録し、人気商品の事前予約を始めました。
周辺の職場にチラシを届けたり、店頭に張り紙をしたり。
たまたま通りかかった人に分かりやすいように旗を出したり。
そうして、リピーターさんだけでなく、初めてのお客様や通りがかりに足を止めてくださる方も増えてきました。開催日時の認知も高まり、周辺の職場の方もお越しくださいます。OPEN時間には行列ができる瞬間もでてきました。
そしてなにより、念願だった「ピザを焼ける人」「販売ができる人」が増え、運営も安定してきました。
ディスプレイについても、やりながら見直し、「季節性のあるパン」「目玉となる新しいパン」を並べる工夫もして変化をつけて、リピーターさんにも楽しんでもらえたらと思っています。
いよいよ場所を探し始めたところです。同時に、日々丁寧に隔週販売を繰り返しながら、「もっとできる」を積み上げていきます。
ぜひ、これからの展開にもご期待ください。そして、あたたかい応援をよろしくお願いいたします!

流山市のまちづくり会社(株)WaCreation代表、machiminオーナー。取り組みの一つとして、みりんの魅力を伝えるプロジェクトを立ち上げる。研究員の活動の場づくりとして菓子製造所をつくり、日々企画・営業にむかう二児の母。