みりん(本みりん)は上品な甘さが魅力の調味料。みりん風調味料や砂糖と比較されることが多いですが、何が違うのでしょうか?代用は効かないのでしょうか?
今回は、生キャラメル風「みりんキャラメル」のレシピで、みりん・みりん風調味料・砂糖の違いを研究してみました。
研究条件
今回の研究では、作り方や分量は全て同じ条件で、材料のみりんをみりん風調味料や砂糖に変えて比較しました。
材料
みりんver
- みりん:100g
- 生クリーム(乳脂肪分43%):100g
みりん風調味料ver
- みりん風調味料:100g
- 生クリーム(乳脂肪分43%):100g
砂糖ver
- 砂糖:100g
- 生クリーム(乳脂肪分43%):100g
作り方
- みりん(みりん風調味料、砂糖)と生クリームをフライパンに入れ、混ぜながら中火で煮詰めます。
- 約半量になったら、紙を敷いたバットに流して冷まします。
研究結果
みりんver
作る過程の様子
<煮詰めている時>
・だんだん黄色く、トロミが出て来る。
・フライパンを傾けると、みりんがフライパンからはがれ落ちる。
<煮詰めた後>
・みりんの芳醇な香りと生クリームのミルキーな香りが合わさって良い香り。
・色は市販のキャラメルより薄い、クリーム色。
<冷やした後>
・包丁でサクッと切れる。
出来上がりの様子
みため:生キャラメルのよう。
かたさ:柔らかく、食べるとトロリとろける。
味:風味豊かで、濃厚な甘み。
みりん風調味料ver
作る過程の様子
<煮詰めている時>
・沸騰してきた瞬間、酸っぱいにおいが!美味しそうな香りでは決してない。
(みりん風調味料の原材料表示を見ると、醸造酢、酸味料が入っていた。)
・混ぜた時の感じ、煮詰まり具合は、本みりんと同じ。
・煮詰まってくると、よりねっとり、どろ~っとした感じ。
<煮詰めた後>
・色がしっかり濃い。
<冷やした後>
・カチカチで切れない。包丁を入れると、バリっと割れて、奇麗には切れない。
出来上がりの様子
みため:みりんキャラメルとあまり変わらない。
かたさ:カチカチ。キャラメルではなく、飴。
味:チェルシーのような味わい。悪くはないが、別物。
他:作っている途中のにおい、酸味はとんでいた。
砂糖ver
作る過程の様子
<煮詰めている時>
・煮詰まってくると甘~いいい香り。
・半量近くまで煮詰まってきた所で、急にブクブクと沸き上がってきた。
<煮詰めた後>
・砂糖が再結晶化して、ざらざら状態。
・型に流すと、ブクブクと空気を含んでいる状態だったのでへらで押し固める。
<冷やした後>
・切ろうと思うとぽろぽろ崩れて切れない。
出来上がりの様子
みため:軽石のような出来上がり。
かたさ:カルメ焼きのようなサクサクとした食感。
味:とても甘いが、キャラメル風味で美味しい。
まとめ
みりんキャラメルは、みりん風調味料や砂糖での代用は効かなかった!
「みりん風調味料」は、水あめや醸造酢、酸味料が入っているので、みりんとは全くの別物。今回使用したみりん風調味料の原材料は、水あめが一番多く入っていたので、みりんverと同じように半量になるまで煮詰めると、飴のように固くなってしまった。「砂糖」は、再結晶化してしまうため、キャラメルにならなかった。
市販の生キャラメルは生クリームのほか、水あめやバターなど、いろいろな材料を入れることでとろりと柔らかな食感にしています。生クリームを足すだけで、こんなにおいしいキャラメルができるみりんは、やっぱり凄かった!
みりんキャラメルは、煮詰める時間によっても味わいや食感が変わります。今回ご紹介した生キャラメル(みりんver)はこちらからもご購入いただけますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
栄養士、製菓衛生師。料理・菓子教室の講師や、企業へのレシピ提供をしてきた一児の母。専業主婦期間を経て、みりんの魅力再発見プロジェクトに参画しリーダーを務める。様々な料理やスイーツにみりんを取り入れたレシピを開発する。代表商品は砂糖・卵不使用のみりんマシュマロ。