本みりん研究所とUSHH(アシュー)は、2021年10月9日に共同商品を発売します。コラボのお相手「USHH」は、イタリアングレーハウンドという種類の犬の洋服を人間クオリティーで手掛けるアパレルブランド(Instagram /公式HP)。
ブランドを立ち上げられた佐々木さんは、流山にお住まいの女性向けファッションデザイナーでいらっしゃり、以前から本みりん研究所を運営するmachiminをご存知でした。ひょんなことから話が始まり、ついにこの秋、コラボ商品として「人と犬が一緒に楽しめるおやつ」の販売開始が決まりました。
コラボが生まれるまで
佐々木さんはmachiminの活動を気にかけてくださっていて、何か一緒に出来ることはないかと模索くださっていたそうです。なんとなくしか知らなかったmachiminを実際に訪問くださり、リアルで互いの目を見ながら話をし、machiminの活動について手塚研究員から詳しく聞いたりするうちに、「ますます一緒に何かをやりたくなった!」と言ってくださいました。
そしてある日「そもそもなぜ犬と人が食べるものが別なのか、犬は床で人は机の上なのか」という手塚研究員の問いと、USHHさんのテーマである「人と一緒に楽しめる、寛げる」が交わり始めます。そして「人と犬が対等である」をキーワードに、「人と犬が一緒に楽しめる食卓や寛げる空間や時間、つまり体験を作りたいよね!」となり、そこから『人が犬と一緒に楽しめるおやつ』を本みりん研究所で作ったらどうかという話になりました。
さらに、キッチンを貸すだけの「シェアキッチン」や、作り手が表に出ずに製造だけをし売り手はそれを仕入れて販売だけをする「ODM/OEM」ではなく、作り手と売り手が対等に手を組む「共同開発」としてチャレンジしてみたい、と佐藤研究員が仲間入りしました。
開発秘話
材料について
佐藤研究員は実家で犬を飼っていて、犬の食事に対する知識は少しだけありましたが、商品にするとなると話は別です。何を食べてはいけないのか、そもそもドッグフードには何がどんな理由で入っているのか、おやつとして補うべき栄養素があるのか、あるとしたら何なのかを調べるところから始まりました。
さらに人と一緒に食べられるものにするため、自分の子どもに安心して食べさせられるか、という基準で材料を選びました。
形と味について
キューブクッキー
チーズスティック
まず買うのは人なので目に留まるように可愛く美味しそうであり、犬も食べやすいような形や大きさであることを心がけて作りました。また、人が食べて美味しいものであると同時に、犬とも安心してシェアできるような薄味であることも、試作をしては意見をもらい調整を重ねました。
人と犬が一緒に食べるために
①犬が食べてはいけないもの(チョコレートやブドウなどや塩分のあるもの)が入っていないこと
②もともと肉食の犬にとっておやつは補食というよりは楽しみであることから、見た目や香り、食感を楽しめるもの
にしました。
(犬のおやつによく使われるヤギミルクは人用には使えないし、かといって牛乳は犬用には使えません。あぁ難しい・・・)
また、本みりん研究所が持っている免許「菓子製造業」の範囲内でなくては販売出来ないため、泣く泣くささみやお魚のジャーキーはお蔵入りとなったのでした。
パッケージについて
パッケージは佐々木さんの出番です。食品を扱うのが初めてだったので食品を包む袋や箱などを扱う業者は紹介しましたが、ここはさすがデザイナーさん!シールのサンプルも作って来られ、どんどんイメージが形になります(そこには「BEAUTY&HEALTHY」の文字が・・!なんとも言えない緊張感が走りました。)。
同じ量でもパッケージによって全然違って見えることやお菓子が壊れにくい包装についてはこちらからお伝えし、色々なパッケージで試してから、決まったパッケージに合わせてお菓子を作り直し、試行錯誤。送付しても割れないかのテストや配合微調整も行いました。そうして自分たちだけでは絶対に行きつかないおしゃれな仕上がりになり、東京・青山のお店に並べられました。お互いの強みを最大限に活かす共同開発の面白さを感じた瞬間でした。
なぜこのコラボが実現できたのか?
これまでたくさんのコラボの話がありましたが、実現するのは今回が初めて。というのも、本みりん研究所を運営するmachiminが大切にしている「対等にやる」というこだわりに共感していただいたからです。
佐々木さんは、ファッションデザイン一筋26年。誰もが知る有名ブランドのお洋服をデザインされています。自社の店舗やECでの販売のほか、ホテルやリゾート施設への販路開拓とパッケージデザイン、ブランディングプロデュースがお得意の方です。
普段ODM/OEMでお洋服を作られていることもあり、受注側をご存じです。双方が強みを活かしリスペクトし合い、信頼関係を築き、コラボを実現することができました。
USHHさんとコラボをしたことで、今まで知らなかった世界や行けなかった世界が広がりつつあり、そのワクワクや感動は何物にも代えがたいです。
これからについて
本みりん研究所には併設の販売スペースがあり、ここで3年半営業を続けてきました。地域とつながり、地域の産品であるみりんで色々な商品を生み出してきました。今回、企画と営業交渉をしている手塚研究員と、お菓子の開発をしている私、佐藤研究員。どちらも前職で長年にわたりやってきた本業が今、ここに活きていると感じます。
私、佐藤研究員はパティシエかつ栄養士で、同時に企業での商品開発もやってきた料理講師です。オーダーに応えつつ難易度を下げて誰もが作れるレシピにし、伝えていくことが得意です。そして様々なご縁から、今回の商品を就労支援施設に製造頂けることになりました。自分たちだけで作れる量には限界がありましたが、これが出来ると分かれば作れる量に限界はありません。いままでやってきたことを総動員するイメージで、更に誰かの仕事を作れたり、誰かの夢を叶えられたりするかもしれないのですから、喜んで受けていきたいと思っています。
お菓子に関する知識やキッチンがなくても、ぜひ本みりん研究所にお任せください(砂糖を使いたい場合は個人で承りますので(笑))。
瓶詰やアイスの機械と免許、キャラメルの機械があるとさらに一気に広がるな~と、妄想が止まりません。
栄養士、製菓衛生師。料理・菓子教室の講師や、企業へのレシピ提供をしてきた一児の母。専業主婦期間を経て、みりんの魅力再発見プロジェクトに参画しリーダーを務める。様々な料理やスイーツにみりんを取り入れたレシピを開発する。代表商品は砂糖・卵不使用のみりんマシュマロ。