みりんを煮詰めると蜂蜜のような味わいになることをご存知ですか?トーストに煮切りみりんを塗ると、まるでハニートーストのように楽しめます!
そこで、みりん研究員・黒田がハニートーストにぴったりな煮切りみりんシロップの作り方を研究してみました。
煮切りみりんとは
まず、研究を始める前に、煮切りみりんについて説明します。
「煮切る」とは、みりんや酒を含む液体を煮てアルコール分を飛ばすこと、また、その調理法のこと。みりんを煮切ったものを「煮切りみりん」と言います。
みりんは、煮切ることでアルコール分が飛びアルコール臭がなくなるので、旨みや甘味を料理に活かすことができます。
肉や魚の臭みを取りたいときや長く煮込む料理にはそのまま使用しますが、火を入れない料理や甘味を強く出したいスイーツなどには、煮切りみりんを使用するのがおすすめです。
煮切りみりんシロップの作り方
さて、今回は、以下の条件で煮切りみりんシロップを作っています。
使用した材料・調理機器
・マンジョウ 米麹こだわり仕込み本みりん
・鍋(18cm)
・ガスコンロ
作り方
1.みりん100gを鍋に入れる
2.強火にかけて、ふつふつと泡が出て沸騰したら弱火にする
3.お好みの濃縮時間で火を切る(濃縮時間による煮切りみりんの変化は下記の研究を参照)
【研究】みりんトーストに最適な煮切りみりんシロップはどれ!?
今回の研究では、0分(みりんそのもの)、濃縮時間5分、8分、10分(いずれも沸騰してから弱火にかけた時間)で比較しました。
出来上がりの様子
結果
0分(みりんそのもの)
容量:100g
粘性:サラサラ
臭い:アルコール臭
味:ツンとしたアルコールの味わい、ほんのり甘い
色:透明に近い黄色
濃縮時間:5分
容量:64g
粘性:フレンチドレッシング状
臭い:ほぼ無臭
味:アルコールの味は消え、自然なみりんの甘味
色:黄色
濃縮時間:8分
容量:50g
粘性:シロップ状・スプーンですくうとトロッとおち、表面に気泡ができる固さ
臭い:ほぼ無臭
味:濃厚なみりんの甘味
色:黄金色
濃縮時間:10分
容量:40g
粘性:水飴状・冷えると硬くなるので、スプーンですくうことが出来ない
臭い:ほぼ無臭
味:喉に残る甘味・香ばしさもあり
色:茶色
考察
実際にトーストに塗ってみました。
0分(みりんそのもの)、容量:100g
トーストに塗る→みりんは水のようにサラサラなので、パンにすぐに吸収される。
食べてみる→アルコールのツンとした香りが鼻から抜け、苦味を感じる。水分のおかげでしっとり。
濃縮時間:5分、容量:64g
トーストに塗る→煮切りみりんはパンにゆっくり吸収される。
食べてみる→ほのかなみりんの甘味。水分のおかげでしっとり。
濃縮時間:8分、容量:50g
トーストに塗る→煮切りみりんはパンにあまり吸収されず、表面に広がる。
食べてみる→しっかりみりんの甘味。トーストをかじると、ジュワっと煮切りみりんが広がる。
濃縮時間:10分、容量:40g
トーストに塗る→煮切りみりんは冷えるとカチカチになるので、上手く塗れない。温めてからトーストに塗る。
食べてみる→煮切りみりんが歯にくっつく。トーストとみりんが馴染まない。
まとめ
黒田研究員がおすすめする煮切りみりんシロップの濃縮時間は「8分」です。
食べると、トーストに染み込んだみりんシロップがジュワッと広がり、みりんの甘味を楽しめます。
みりんシロップは、蜂蜜よりもすっきりとした甘さなので、飽きずにパクパク食べられるのも魅力的!自然な甘味が気に入り、ハニートースト改め、みりんトーストが私の定番朝ごはんに仲間入りしました♪
また、しっとり食感が好きな方には、濃縮時間「5分」がおすすめです。水分のおかげでフレンチトーストのようにしっとりします。
煮切りみりんの濃縮時間で、こんなに変化があることに驚きました!皆さんも自分好みのみりんトーストを試してみてくださいね♪
※実験に使用した0分のみりんは、比較のために記載しておりますが、煮切りみりんではありません。アルコールが含まれているのでご注意ください。
※ご家庭の調理機器やみりんの量によって濃縮時間は変わります。参考値としてご覧ください。
日本発酵文化協会認定 発酵マイスター。白みりん発祥の地・流山のmachiminと出会い、もっとたくさんの人に発酵食品であるみりんの魅力を広めていきたい!と「本みりん研究所」を立ち上げる。現在育休中の一児の母。