ピクルスは西洋風の漬物で、酢漬け、もしくは、塩水に漬けて発酵したものです。
酢漬けのピクルスは、酢・砂糖・水・香辛料などで作ったピクルス液に、お好みの野菜を漬け込みます。一晩以上おくと、ピクルス液が野菜に染み込み、甘酸っぱさが食欲を掻き立ててくれてこれからの暑い季節にもぴったりです。
そんなピクルスの甘味づけには「砂糖」を使っているレシピが主流ですが、「みりん」に置き換えるとどうなるのか?砂糖がなくても作れるのか?研究してみました。
研究(その一)
研究条件
まず、材料の分量と作り方は同じ条件にして、砂糖とみりんでつくるピクルス液、何が違うかを比較しました。今回は、出来上がったピクルス液に、きゅうり・にんじん・パプリカを2日間漬けています。
材料
- 酢:400g
- 水:200g
- 砂糖orみりん:100g
- 塩:小1
- ローリエ:1枚
- 鷹の爪:1個
作り方
- 全ての材料を鍋に入れて沸騰させる
- 弱火にして5分煮詰める
結果
砂糖でつくるピクルス
- 甘味と共に、強い酸味を感じる。(酢カドがある)
- 食べた瞬間に「酸っぱい!」となった。
- ハンバーガーなどに入れるピクルスの味。
- ピクルス液を舐めると、甘ったるい感じ。旨味(美味しさ)は感じない。
みりんでつくるピクルス
- あまり甘味を感じず、ピクルス感がない。
- さっぱりしているので、箸休めの漬物としてはあり。
- 酢カドが取れている。
- ピクルス液を舐めると、甘味よりも酸味をしっかり感じる。
考察
みりんをそのまま使用するだけでは、甘さが出なかった。ピクルス感がなかったので、みりんよりも甘味が濃厚な煮切りみりんに変えて比較してみる。
研究(その二)
研究条件
次は、みりんを2/3量まで煮詰めた煮切りみりんを使用しました。研究(その一)と同様、材料の分量と作り方は同じ条件にして、出来上がったピクルス液に、きゅうり・にんじん・パプリカを2日間漬けています。
材料
- 酢:400g
- 水:200g
- 煮切りみりん(みりんを2/3量に煮詰めたもの):100g
- 塩:小1
- ローリエ:1枚
- 鷹の爪:1個
結果
煮切りみりんでつくるピクルス
- 「みりんでつくるピクルス」とほぼ変わらない味。
- よく味わうと、「みりんでつくるピクルス」よりも旨味が出て、まろやかになっている。
- 酢カドが取れている。
- ピクルス液を舐めると、酸味のほか、まろやかな甘味を感じる。
考察
煮切りみりんに変えただけでは、大きな変化を感じられなかった。そこで、水(200g)分だけ煮切りみりんを増量し、比較してみる。
研究(その三)
研究条件
次は、先ほどと同様、みりんを2/3量まで煮詰めた煮切りみりんを使用しますが、材料の分量を変更します。作り方は同じ条件にして、出来上がったピクルス液に、きゅうり・にんじん・パプリカを2日間漬けています。
材料
- 酢:400g
- 煮切りみりん(みりんを2/3量に煮詰めたもの):300g
- 塩:小1
- ローリエ:1枚
- 鷹の爪:1個
結果
水なし煮切りみりんでつくるピクルス
- 砂糖と同じくらいの甘味があり、ピクルス感もある。
- くどくない、スッキリとした甘さ。
- 酢カドが取れて、食べやすい。
- コクのある味わい。
- ピクルス液を舐めると、まろやかな酸味や甘味。旨味も感じる。
考察
煮切りみりんの量を増量したことで、酢カドが取れ、旨味や甘味を感じ、みりんの効果を存分に発揮したピクルスに仕上がった。
まとめ
ピクルスは砂糖がなくても作れた!
今回、本みりん研究所で試食会を行い、6名に食べていただきましたが、試食した全ての人が「水なし煮切りみりんでつくるピクルス」が美味しいと評価しました。
みりんは、酸や塩のカド味を矯正してくれる効果があるので、酸味の強いピクルスが苦手という方やお子様でも食べやすいです。(実際に苦手な人も美味しいと言って食べていました!)
砂糖のピクルスは甘ったるいので沢山食べることはできませんが、水なし煮切りみりんのピクルスは酢カドが取れて食べやすく、旨味と甘味のバランスがよくパクパク食べることができました。とっても簡単に作れるので、ぜひお試しくださいね!
日本発酵文化協会認定 発酵マイスター。白みりん発祥の地・流山のmachiminと出会い、もっとたくさんの人に発酵食品であるみりんの魅力を広めていきたい!と「本みりん研究所」を立ち上げる。現在育休中の一児の母。